普段何気なく口にしている“デザイン”。
一体、デザインとは何なのでしょうか?
三省堂『スーパー大辞林 3.0』で引いてみますと、
デザイン〖design〗
(名)スル
作ろうとするものの形態について、機能や生産工程などを考えて構想すること。意匠。設計。図案。「自分で━した服」
大辞林 第三版
となっています。
普段の生活の中で用いられる“デザイン”と、少し違っていませんか?
多くの人の認識は、“デザイナーズマンション”、“デザインチック”、“デザイナーズブランド”などなど、ざっくり云うと「ちょっと変わった見た目のもの」ではないでしょうか?
私たちの考えるデザインは、「どんなものでもデザイン要素は入っている。」です。
例えば、社内で回覧する“ 健康診断受診のお願い ”のようなペライチでも、デザインは必要です。
この目的は、社員全員に健康診断を受診してもらう、です。
そのために過不足なく情報を掲載する必要があります。
まずは見出しで何のお知らせなのか明確にする。
次に誰から誰へ伝えたい内容なのか?
文章はわかりやすいか?
全体の色味は内容にふさわしいか?
スマートフォンでも可読可能か?
など、とにかくユーザー目線に立って違和感のないように仕上げていきます。
仕上がりはとても地味なものになると思います。
それでも適正なデザインが施されたものは、どこか美しいものになります。
ペライチの作成者の言いたいことしか考慮していないものは全く違った仕上がりになります。
ユーザー目線がないので当然と言えます。
それはおそらく、「何か変わったことをしてやろう。フォントも変わったものにして、色も派手にして、なんかキャラクターも入れて、と。」といったスタンスだと思います。
よく目にするチラシにありがちな仕上がりです。
ユーザーが見た時に、入手したい情報が整理されていて、ユーザーの心情に違和感を与えないことが重要です。
これはデザインの真骨頂と言えます。
このチラシの大元は掲載する原稿です。原稿の時点で可能な限り詰めて、装飾を加えないでレイアウトをし、必要な分だけ装飾をする。
とてもシンプルですが、それがデザインです。
どんなものでもクリエイティブの最小単位は“言葉”だと認識しております。
その言葉を、フォントや色や形で具現化します。
言葉を他のものにコンバートするわけです。
優秀なデザイナーは全員このコンバートが上手なのです。
私たちは、コミュニケーションを具現化する思考・行為をデザインだと認識しております。
